疚
疚
名詞
標準
文例 · 用例
何の疚しい所のない僕は頗る不平で、「お母さん、そりゃ余り御無理です。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
人に見られて見苦しい様なこともせず、顧みて自ら疚しい様なこともせぬ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
恥づるは心の疚ましければなり、何かは隠くさん。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
傍には可愛き兒の寐姿みゆ、膝の上には無情の君よ我れを打捨て給ふかと、殿の御聲あり/\聞えて、外面には良人や戻らん更けたる月に霜さむし、たとへば我が良人今此處に戻らせ給ふとも、我れは恥かしさに面あかみて此膝なる文を取かくすべきか、恥づるは心の疚しければなり、何かは隱さん。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
」 木谷は、ご機嫌を取るように近づいてくる相手の疚しげな顔つきに、平気な、そッけない声で答えた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
」 頭を十文字に繃帯している三中隊の男が、疚しさを持った眼で、まだ軍医の手あてを受けない傷をのぞきこみにきた。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
」 と、疚しさを持った眼は、ほッとしたように、他のベッドに向いた。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
虫歯が疚いて堪え難いでな。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫