餓える
うえる
動詞
標準
文例 · 用例
そこで、その村の者は、監獄へ行くか、餓えるかという二つの道のどちらかを取るようにしいられた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
稲は活きても人は餓える、水は湧いても人は渇える。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
かの女は、働くことに無力な一人の病身で内気な稚ない母と、そのみどり子の餓えるのを、誰もかまって呉れない世の中のあまりのひどさ、みじめさに、呆れ果てた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
樹明君から胃の薬(いや白米大菩薩)到来、これで当分餓える心配なし、それにしてもいつまでも知友の厚情に甘えてゐてはならない、行乞、行乞、行乞に出かけやう、そして安易と我侭とを解消しよう(此一項は、読書の項の前に記入すべきだつた)。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
二人して一生懸命に働きましたら、まさかに餓えるようなことも御座いますまい。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
それに物価が高いとか何とか言ふけれど、昔と違つて今は働きさへすれば、決して餓えることのない時代になつた。
— 田山録弥 『月明夜々』 青空文庫
離れるより餓える方を選んだ。
— 宮本百合子 『貞操について』 青空文庫
他人と思えば、よもやねえ、こんなお仕置きはできますまいもの」 はっと息づまるなかに、痙攣のような笑みを浮かべた左膳、しずかにお藤をどかせて、きらめく一眼を源十郎の面上に射ながら、隻手はもう血に餓える乾雲丸の鯉口にかかっていた。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫