騁
騁
名詞
標準
文例 · 用例
縦騁五分間ののち、前途はるかに競争者の影を認め得たり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
斉名の文は典雅荘重であり、以言の文は奇を出し才を騁せ、其風体各々異なれど、いずれも文章の海山の竜であり象である。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
その思想といふものも、いかなるが詩となすに宜しかるべきか知るよしなけれど、わが尼寺にありし時、ふと物の懷かしき如き情、遠きに騁する如き情の胸に溢るゝことあり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
その懷かしきは何ぞ、その騁するは何をあてぞといはば、われ自ら答ふるところを知らず。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
若し今事の伝ふべきを伝へ畢つて、言讚評に亘ることを敢てしたならば、是は想像の馳騁、主観の放肆を免れざる事となるであらう。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
己が始て行った晩には、どうするだろう」空想は縦横に馳騁して、底止する所を知らない。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
二人は其処の素床に薄縁を敷いてもらって、汗を拭き、茶をのみ、菓子を食いながら眼を騁せた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
そこでその先生が思想を馳騁して、1790宇宙の物のあらゆる栄誉をあなたの頭銜に持って来るのです。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫