雪達磨
ゆきだるま
名詞
標準
文例 · 用例
僕は怖くなつて、とてもそのアメリカの小母さんの顔が見てはゐられなくなつて、窓の方に眼を向けると、雪の原には月が一面に青々と光つて、なんだか白熊たちは雪達磨をこしらへてゐるのでした。
— 中原中也 『夜汽車の食堂』 青空文庫
雪達磨のようにじっと動かず、眼ばかりきょろつかせて、あぶれた顔だった。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
そればかりではなく、生活は雪達磨のように転がれば転がるほどしだいに大きくなるものだ。
— 佐左木俊郎 『仮装観桜会』 青空文庫
それほどの大雪にうずめられている間に、のん気な江戸の人達は、たとい回礼に出ることを怠っても、雪達磨をこしらえることを忘れなかった。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
諸方の辻々には思い思いの意匠を凝らした雪達磨が、申し合わせたように炭団の大きい眼をむいて座禅をくんでいた。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
その消えてゆく運命を荷っている雪達磨のうちでも、日かげに陣取っていたものは比較的に長い寿命を保つことが出来た。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
「や、雪達磨のなかに人間が埋まっていた」 この噂がそれからそれへと拡がって、近所の者どもはこの雪達磨のまわりに集まった。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
寒気のために凍死したのか、あるいは病気のために行き倒れとなったのかと、役人たちの意見はまちまちであったが、普通の凍死か行き倒れであるならば、雪達磨のなかに押し込まれている筈がない。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫