変哲
へんてつ
名詞形容動詞頻度ランク #30478 · 青空 173 例
標準
something unusual
文例 · 用例
中には、それはおまへの今ゐるのが何の変哲もない峠道のことで、闇夜のことだし草一本満足には見えぬ有様だからだらうなぞ思ふ人もあるかも知れぬ。
— 中原中也 『深夜の峠にて』 青空文庫
」「うむ、八通り、この通か、はッはッ、」と変哲もなく、洒落のめして、「どうじゃ五厘も投げてやるか。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
」「へい、」と言ったが、車夫は変哲もない顔色で、そのまま棒立。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
田舎道を乗合馬車が行くのを一台の自動車が追い駈けて行く、と前方の瀬戸内海に太陽が昇りはじめる、馬車の乗客が「おい、見ろ、昭和二十年の太陽だ」という――ただそれだけの何の変哲もない他愛もない夢であるが、この夢から私は次のように短かい物語を作ってみた。
— 織田作之助 『電報』 青空文庫
この娘こそ虫が好く虫が好くと思いながら、鼈四郎は、逸子との変哲もない家庭生活に思わず月日を過し子供も生れてしまった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
」 と変哲もない愛想笑。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
甲府市外の湯村温泉、なんの変哲もない田圃の中の温泉であるが、東京に近いわりには鄙びて静かだし、宿も安直なので、私は仕事がたまると、ちょいちょいそこへ行って、そこの天保館という古い旅館の一室に自らを閉じこめて仕事をはじめるということにしていたのである。
— 太宰治 『黄村先生言行録』 青空文庫
その板囲いが外れたところに表附はオフィス風で、何の変哲もありませんが、その造作を越したうしろに聳えている蔵造りの家が集まってるらしい瓦屋根は、勾配を四方八方へ幾つにも分ち下ろして、なにさま大きな旧家の住宅に見えます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
作例 · 標準
商店街の路地裏にある、何の変哲もない古びたラーメン屋が、実は知る人ぞ知るミシュラン一つ星の名店だった。
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毎日同じ電車に乗り、同じオフィスで働くという、なんの変哲もない平凡な日常が、実は一番幸せなことなのかもしれない。
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骨董市で数百円で買った何の変哲もない茶碗が、後日テレビの鑑定番組で人間国宝の初期の作品だと判明して驚いた。
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