落ち武者
おちむしゃ
名詞
標準
fleeing soldier
文例 · 用例
「武者ならば――まさに落ち武者、心の難民」と、大沼が云った。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
すでに昼すぎる頃からコーヒーといふウヰスキーを飲む餓鬼、ソーダ水の酒を飲む餓鬼、これはもつぱら馬小屋からの落ち武者で、実は単に酒餓鬼の足軽にすぎない。
— 坂口安吾 『金銭無情』 青空文庫
水源に近いところに湯西川温泉という岩風呂の景勝までは、よく人のいくところだが、それより一里奥の高手と呼ぶ平家の落ち武者が営んだ部落へは、訪う人が少ない。
— 佐藤垢石 『香熊』 青空文庫
これはただの落ち武者の群れではない。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
町々は、敵とも味方ともわからぬ軍勢が、あるひは威風をまし、あるひは、掠奪をほしいまゝにしながら、通り抜け、時には、手負ひの落ち武者が、物乞ひ同然なすがたで門に立つこともある。
— 岸田國士 『虹色の幻想(シナリオ)』 青空文庫
人間の子はえらい悪くなったという評判がここにも立っているが、おまえもその生存競争に負けた落ち武者の一人かのう?
— 賀川豊彦 『空中征服』 青空文庫
昔、平家の落ち武者が住みついたというひなびた静かな土地である。
— 三遊亭金馬 『江戸前の釣り』 青空文庫
その飛脚のつきましたのが同じ日の未の刻さがりでござりましたが、そのうちにはや落ち武者がぽつ/\逃げかえってまいりまして、味方はそうはいぼくにおよび、とのさまも御運のすえらしいと申すことでござりました。
— 谷崎潤一郎 『盲目物語』 青空文庫
作例 · 標準
例句