愚草
ぐそう
名詞
標準
文例 · 用例
定家假名遣と云ふのは定家卿が「拾遺愚草」を清書させるときに大炊介親行と云ふ人に之れを命じた、其の親行が書き方を定めたと云ふことに傳はつて居ります。
— 森鴎外 『假名遣意見』 青空文庫
習作集と謂へば、家隆の「壬二集」、定家の「拾遺愚草」及び員外も同じく、下書き歌までも録した物であるらしい。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
上辺は、難渋な作物ばかり作つたらうと思はれる定家・家隆なども、家集の拾遺愚草其他や、壬二集を見ると、生れ替つた様な――悪い意味ながら――自由さが見られる。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
拾遺愚草を見ると、無技巧に近い物や、平俗に陥つたものが、年齢に関係なく交つてゐる。
— 後期王朝文学史 『女房文学から隠者文学へ』 青空文庫
『定家卿百番自歌合』と家集『拾遺愚草』とがそれである。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
そのために、年来の歌稿全体に眼を通したので、それを分類整理して家集『拾遺愚草』三巻を清書した。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
註 これまで触れてきた新古今時代の有名な歌人中、慈円の『拾玉集』・良経の『秋篠月清集』・俊成の『長秋詠藻』・西行の『山家集』・定家の『拾遺愚草』・家隆の『壬二集』を六家集といい、江戸時代の刊本もあり、『続国歌大観』『国歌大系』にも入っているが、中でも『拾遺愚草』は佐佐木博士校訂の岩波文庫本がよい。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
ただ問題は、その「詩」が野生的な生活に結びついているものでなく、古典文芸の鑑賞に培われる一種の雰囲気である点であって、その「詩」をつくり出すために、定家は『白氏文集』の第一・二|帙を読めと、『詠歌大概』にも『毎月抄』にものべており、『拾遺愚草員外』を見ると、文集百首というのさえ作っている。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫