辺迄
へんまで
名詞
標準
文例 · 用例
(F・O)S=ある十字路 勝坊の手を曳いて三次ブラブラやって来たが、此辺迄来て立ち止る。
— 山中貞雄 『恋と十手と巾着切』 青空文庫
彼は爪先から頭の天辺迄慄えていた、しばらくすると其処の濡れた壁にへばり着いていたような黒い影が明るみの中に現われて、こっそりと彼に近寄って来た。
— The Portrate of Dorian Gray 『絵姿』 青空文庫
門野が隣の梧桐の天辺迄|水にして御目にかけると云つて、手桶の底を振り上げる拍子に、滑つて尻持を突いた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
それに続く近習や伽衆、馬廻など、皆善美を尽した甲冑を着て伊達を競ったから、見物の庶民は三条河原から大津辺迄桟敷を掛けて見送ったと云う。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
その中に性懲りもなく建てた化粧煉瓦のセメント建築や、昔の焼け残りの大建築が並んでいるといった塩梅で、この辺迄来ると青空も余程広々と輝いて、往来に近付いて見える。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
十七日川内川あり、海辺迄三里計ト云。
— 坂本龍馬 『坂本龍馬手帳摘要』 青空文庫
寔に色の真白な女の如き優男ではありましたが、五尺三寸にも足らぬ小柄な華奢な肢体を真黒なモジリで包み襟元から鼻の辺迄薄色のショオルで隠し灰色の軽々しいソフト帽子を眼深に冠った、一見して旧派の女形然たる千代三とは似ても似つかぬ別人物ではありませんか?
— 西尾正 『陳情書』 青空文庫
駿州富士山并相州大山参詣の者共御当地より東海道神奈川宿辺迄海上船にて罷越候に付、旅籠屋并商人共助成薄く難儀致候に付、船往来差留之儀品川宿より願出候。
— 木暮理太郎 『紙魚こぼれ』 青空文庫