棄児
きじ
名詞
標準
文例 · 用例
母様もまた傍からまあ棄児にしては可哀相でないかッて、お聞きなすったら、じいさんにやにやと笑ったそうで、(はい、いえ、大丈夫でござります。
— 泉鏡花 『化鳥』 青空文庫
磯九郎ばかりではありません、例に挙げたから申しますが、身の苦しさに棄児をした糠助なんぞでも、他の作者ならばそれだけを主題にしても一部を為すのであります。
— 幸田露伴 『馬琴の小説とその当時の実社会』 青空文庫
豊後守といへば、江戸市中に棄児があれば、屹度拾つて養育した程の慈悲深い男だつたが、それでも時々は剽軽な悪戯をして、友達を調弄ふ程の心の余裕は持つてゐた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
棄児かといえばこれまたしからず。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
久さんが生れて間もなく、村の櫟林に棄児があった。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
石山の爺さんが右の棄児を引受けて育てた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
棄児は大きくなって、名を稲次郎と云った。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
四 死んだ棄児の稲次郎が古巣に、大工の妾と入れ代りに東京から書を読む夫婦の者が越して来た。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫