殃々
殃々
名詞
標準
文例 · 用例
わけても、鬼猪殃々のような武装の固い兇暴な植物は、ひ弱い他の草木の滴までも啜りとってしまうので、自然茎の節々が、しだいに瘤か腫物のように張り膨らんできて、妙に寄生的にも見える、薄気味悪い変容をところどころ見せたりして、すくすくと巨人のような生長をしているのだった。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
したがって、鬼猪殃々は妙に中毒的な、ドス黒く灰ばんだ、まるで病んだような色をしていた。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
わけても、その原野の正確な擬人化というのが、鬼猪殃々の奇態をきわめた生活のなかにあったのである。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
ああほんとうに、あの鬼猪殃々の原から、生温い風が裾に入りますと、それが憶い出されて、慄然とするような顫えを覚えるのでございます。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
現に、あの鬼猪殃々の原がそうでしょう。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫