零墨
れいぼく
名詞
標準
文例 · 用例
未発表の断簡零墨もあるようだし、書簡などもあるから、当分は材料に窮しないし、材料がなくなれば彼に関するあらゆる文章をのせてもいいと思う。
— 菊池寛 『芥川の事ども』 青空文庫
しかしそれは兎も角も、さういふ断簡零墨を近代語に訳したものを見ると、どれもこれも我我にはお馴染みの思想ばかりである。
— 芥川龍之介 『澄江堂雑記』 青空文庫
いったい、羲之の真蹟はすべて唐の太宗が棺の中まで持ちこんで行ってしまったはずで、支那にも、もはや断簡零墨もござらぬそうな」「ところが、伊達家の羲之には、れっきとした由緒因縁がある、しかも、それには唐の太宗の御筆の序文までがついているそうじゃ」「ははあ――眉唾物ではござるまいなあ。
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
大方の諸君願わくは自分のこの研究を助けて、断簡零墨といえどもあえて厭い給うなく、つまらぬ口碑と思わるるものもあえて捨て給うなく、これを提供し、これを報告するの労を与えられたい。
— 喜田貞吉 『エタ源流考』 青空文庫
全體を通じて殆んど斷翰零墨のみであるが、如何なる斷翰零墨もその時々の内生の思出を伴つてゐないものはない。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第一』 青空文庫
曰く国庫の資を以て蒐集したる断簡零墨を憑拠として漫に賢相名臣の跡を抹殺すと。
— 津田左右吉 『史論の流行』 青空文庫
曰ふ断簡零墨以て国史を疑ふべからずと。
— 津田左右吉 『史論の流行』 青空文庫
断簡零墨尽く以て信ずるに足るとせず。
— 津田左右吉 『史論の流行』 青空文庫