ひた隠し
ひたかくし
名詞
標準
hiding at all costs
文例 · 用例
堪らなく痛かったが両親に云えば叱られるから、人前だけは跛も曳かずに痩我慢して痛さを耐えてひた隠しに隠して居ましたが、雑巾掛けのときになって前へ屈んで膝を突くのが痛くて痛くてほとほと閉口しました。
— 幸田露伴 『少年時代』 青空文庫
先日のラジオは、君には聞かせたくないと思い、君に逢ってもその事に就いては一言も申し上げず、ひた隠しに隠していたのですが、なんという不運、君が上野のミルクホオルで偶然にそれを耳にしたという事で、翌日ながながと正面切った感想文を送ってよこしたので、私は、まことに赤面、閉口いたしました。
— 太宰治 『みみずく通信』 青空文庫
しかし、これこそ胸底にひた隠しに隠している自分の正体なのだ、おもては陽気に笑い、また人を笑わせているけれども、実は、こんな陰鬱な心を自分は持っているのだ、仕方が無い、とひそかに肯定し、けれどもその絵は、竹一以外の人には、さすがに誰にも見せませんでした。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
芸術家はそれゆえ、自分のからだをひた隠しに隠して、ただその笛の音だけを吹き送る。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
十五年といふひどく永い年月、ひた隠しに隠してゐたところを見ると、さすが傲慢不遜の名匠も、くろうと政治家の無意識な軽蔑の眼つきにやられて、それこそ骨のずいまでこたへたものがあつたのであらうと、そぞろ同情の念の胸にせまり来るを覚えるのである。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
訪問客たちには、ひた隠しに隠しているが、無理な饗応がたたって、諸方への支払いになかなかつらいところも多い様子であった。
— 燭をともして昼を継がむ。 『花燭』 青空文庫
三年のあいだ、この子のことをひた隠しにしたけど、いつも世話係からすくすく育ってるとは聞いてた。
— THE YELLOW FACE 『土色の顔』 青空文庫
いずれにしても、もうひた隠しにするときは過ぎた。
— THE "GLORIA SCOTT" 『グローリア・スコット号』 青空文庫
作例 · 標準
彼は会社の不祥事をひた隠しにしようとしたが、結局露見した。
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彼女は自分の過去をひた隠しにして、新しい生活を始めていた。
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その事件の真相は、何者かによってひた隠しにされていた。
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