油臭い
あぶらくさい
形容詞
標準
文例 · 用例
われ(お前の意)が戻ると醤油臭い。
— 黒島傳治 『まかないの棒』 青空文庫
本家の先代には、盲人がそういうときの白眼を剥いた歪んだ顔は、急に油臭いものになって見るに堪えない気持がすると同時に、世の中に嘗て見たこともない生々しい感じに撃たれる。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
「御免下され、」 とここで、鐸を倒に腰にさして、袂から、ぐったりした、油臭い、叺の煙草入を出して、真鍮の煙管を、ト隔てなく口ごと持って来て、蛇の幻のあらわれた、境の吸う巻莨で、吸附けながら、「赫と気ばかり上って、ざっと一日、好な煙草もよう喫みません。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
おふさは石油臭い手を洗つてそれから顏を洗つて又姿見へ自分を映して惚れ/\と見る。
— 長塚節 『おふさ』 青空文庫
「おい、おめえはさっきあの木像を嗅いで、どんな匂いがした」「なんだか髪の油臭いような匂いがしましたよ」「むむ」と、半七はうなずいた。
— 蝶合戦 『半七捕物帳』 青空文庫
油臭いナッパ服が肩と肩、顔と顔をならべ、腰をかけたり、立ったり――それが或いは腕を胸に組み、頬杖をし、演説するものをにらんでいた。
— 小林多喜二 『工場細胞』 青空文庫
何度もそれを繰返すと、石油臭い匂いが何時迄も手に残った。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
復た油臭い凍豆腐かと思うと、あの黄色いやつが壁に釣されたのを見てもウンザリする。
— 島崎藤村 『千曲川のスケッチ』 青空文庫