藩老
はんろう
名詞
標準
文例 · 用例
藩老たちは、一藩の士卒を城中に呼び集めて、評定の経過を語った後、関東へ発足するについての用意を命じた。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
藩老たちは、同夜左のごとき、一書を尾州藩へ送って、朝廷へ帰順の取成しを、嘆願したのである。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫
この年三月二十六日、甚兵衛は、藩老細川志摩から早使をもって城中に呼び寄せられた。
— 菊池寛 『恩を返す話』 青空文庫
何んという言葉を使う」「殿中にても、世上にても、左様に申しております」 久光は、手早く、将曹から、幕府へ報告した文面の写しを、取り上げて「この、禀申書の如き、署名は、ただ、将曹一人、藩老の連署が無くて、何故、この藩国の一大事件を、上へ通達するような、軽々しきことをなされました。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
水野主馬はもと結城藩老、天狗の携ふる所となれる者、土浦より結城を志し、行々土兵に苦しめられつゝ、十日夜九つ時、猿島郡新和田にて捕へらる。
— 横瀬夜雨 『天狗塚』 青空文庫
余藩老成瀬正肥ニイツテ曰クコノ任ニ堪ル者ハワガ客樹堂ナリト。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
長国寺の事以来、藩老の矢沢監物から睨まれて、恩人柘植嘉兵衛の失脚――兄真雄へのさまざまな迫害――妻のお咲や梅作の身にも、前の養子先の縁者たちを繞って、種々うるさい事情や拘束も起っていると風の便りに聞いている――。
— 吉川英治 『山浦清麿』 青空文庫
かれの死後、一子の又四郎を、報恩の意味で、光圀の家中に養っておいたが、長ずるにしたがって、持前のぶっきら棒から、たちまち藩老の藤井紋太夫と衝突してしまい、紋太夫の一派から忌まれて、ていよく排斥されてしまったものである。
— 吉川英治 『梅里先生行状記』 青空文庫