頸骨
けいこつ
名詞
標準
文例 · 用例
遂に一本の尖剣が発止と頸骨の髄を貫いて、牛は地響をたてて倒れました。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
そして、たとえ幸運が我々の側を見すてずに、スレーターが頸骨を挫折して即死してしまったとはいえ、この一事あるがため、もしさもなければ犯罪上の最大な傑作として、人々を言葉もないほど嗟嘆させたでもあろうほどの玉に、一つの瑕をつけてしまったのである。
— コナン・ドイル 『臨時急行列車の紛失』 青空文庫
第一僕たちのような頸骨の固い謀叛人に対して、大家先生たちが裏書きどころか、俺たちと先生がたとなんのかかわりあらんやだ。
— 有島武郎 『ドモ又の死』 青空文庫
犬の首ッ玉の耳の背後よりも少し下った処……八釜しく云うと七個在る頸骨の上から三つ目ぐらいの処をチョイト抓むと、ドンナ猛犬でも頭がジインとなって、この人にはトテモ敵わない。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
突きかけた方は同県下|子安、妹田農場の一|噸積シボレーの使い古した牛乳|車で、衝突と同時に機械と運転台をメチャメチャにした上に、運転手の蟹口才六(三十一)は頭蓋骨粉砕、頸骨、左|肋骨を打折り即死、助手兼、乳搾夫、山口|猿夫(十七)は左脚の大腿部を骨折し人事不省に陥っている。
— 夢野久作 『衝突心理』 青空文庫
ひとが何と云ったってかまわないし、妙なことを云えば、ねじこんでやればいい、という春桃の頸骨のつよさは、中国独特の肌理のこまかい、髪の黒い、しなやかな姿のうちにつつまれている。
— 宮本百合子 『春桃』 青空文庫
死んだ女の硬ばった筋肉は、男の指の圧迫によって生きがえりでもしたように、頸骨から顎の尖までぐびりと動いたとたんに、物凄くむき出していた白歯がおのずから隠れて、口は大きな欠伸でもするようにがっくりと開いた。
— モーリス・ルヴェル Maurice Level 『青蠅』 青空文庫
」と云うと、いきなり大きな掌で、頸骨が折れただろうと思うほど急に子供の首を突き曲げた。
— 宮本百合子 『貧しき人々の群』 青空文庫