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惚々

惚々
名詞
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標準
文例 · 用例
ギリシアの神話にある美少年ナルチスは、自分の青春の姿を鏡に映して、惚々と眺め暮していたということであるが、芸術家という人種は、原則として皆一種の精神的ナルチスムスである。
萩原朔太郎 老年と人生 青空文庫
そして貴方もまた、アダに惚々する私達同志の一人におなりだろうと思うのです。
吉行エイスケ 孟買挿話 青空文庫
しばらくすると、その自分が、やや身体を捻じ向けて、惚々と御新姐の後姿を見入ったそうで、指の尖で、薄色の寝衣の上へ、こう山形に引いて、下へ一ツ、△を書いたでございますな、三角を。
泉鏡花 春昼 青空文庫
」 とものぐるわしく、真面目になりたる少年を、惚々と打まもり、「私の顔を覗き込んじゃあ、(母様)ッて、(母様)ッて呼んでよ。
泉鏡花 化銀杏 青空文庫
私はいつも彼の画を見て惚々とします。
岡本かの子 母子叙情 青空文庫
この娘たちは、時日の長さや事件の軽重では大したこととも思われませんが、それだけに経験に於てすら何か人生全般にわたって頼むべからざる果敢無さを感得したほどの繊鋭なカンを持ち、しかも、自らの若さに就ては惚々するほどの信頼と愛着とを持つ人たちばかりでした。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
「命がけの姿形というものは誰だって隙がなくて惚々するものよ」――蝶子、わたしは父親に命ぜられてこういう気質の幇間のところへ内弟子に遣られた。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
春松のゴマいりを揺り動かす手付きは、見ていて惚々するほどで、しかも逃げた砂粉を再び何度も/\ゴマいりにいれて、いってみれば、女が蚤を探す時の熱心さがあった。
織田作之助 俗臭 青空文庫