偏奇
へんき
名詞
標準
eccentricity
文例 · 用例
私は實にその偏奇な高潔さが好きだ。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫
自分のように偏奇な風流餓鬼の相手になって自分から健康な愛情の芽を二度と吹かして呉れようとする無垢な少女。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
その影響で、ぼくは別荘の坊ちゃんとしての我儘なしたいほうだいを止めて、執偏奇的な宗教家、神秘家になりました。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
わたくしは偏奇な、又は虚構的な文学の使用を忌む。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
身は偏奇館、あるいは葷斎堂に住して、病を愛撫し、「身を落す」自傷を愛撫し、しかしそれらを愛撫するわが芸術家魂というものをひたすらに愛撫する荷風は、ある意味では人生に対する最もエゴイスティックな趣味家ではあるまいか。
— ――鴎外・漱石・荷風の婦人観にふれて―― 『歴史の落穂』 青空文庫
ブルジョア作家が狭い「私」的環境に止められて、僅かな感情冒険だの偏奇の誇張などにエネルギーをついやしている時、少くとも現在民主的作家は、政治的活動の分野を解放されているし、経営内の文化活動に直接ふれることができるし、労働者・農民の闘いに観察者であるばかりでなく、協力者となり得ます。
— ――新日本文学会第四回大会最終日に―― 『討論に即しての感想』 青空文庫
それはソヴェトの五ヵ年計画と――刻々に前進する社会主義の社会の現実とメイエルホリドが独特性としている芸術理解の特色=極端な様式化と構成派風な偏奇さ、誇張、一種の病的さなどが労働と互にどういう関係において発展してゆくかという問題だ。
— 宮本百合子 『ソヴェトの芝居』 青空文庫
偏奇な趣味の対象としては、蜘蛛は余りに多くのものを持っていると、蜘蛛好きな私は勝手な考え方をしたいのである。
— 豊島与志雄 『蜘蛛』 青空文庫
作例 · 標準
彼の作品はどれも独特の偏奇を帯びており、一部の熱狂的なファンを惹きつけている。
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その建築家は、伝統的な様式の中に少しの偏奇を混ぜ込むことで個性を表現した。
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彼女のファッションセンスは少し偏奇だが、それが逆に魅力になっている。
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