家苞
いえづと
名詞
標準
文例 · 用例
家苞に參らせん、と思ふほどに、はや出でさせ給ひにければ、と云ひさして、根もとをこなたに向けて、三把ばかり出だしけり。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
家苞には筍を多く賜わった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
小僧に吩付けて出来るだけのご馳走を拵えさせてその男に喰わせ、その上|家苞物などを拵えて、「先年はいろいろ厄介になってありがたい」と礼をいって還してやりましたが、帰りしなには礼拝して何やら罪を悔いたような様子を顕わして涙を流しながら帰って行きました。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
私までへ手紙とお家苞を下すってありがとうございます」との返事です。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
法王への家苞にするから」とだんだん説きますと彼は大いに驚いて大分疑念を氷解してしまったです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
私はその寓居に止って居る間にネパール国誌ようなものを作って日本への家苞にしたいという考えを起して少し取調べに掛ろうとしたけれども、どうも様子を考えるによろしくない。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
私はその金でカルカッタに居る時分随分沢山参考書を買い、なおネパール国王に上げる家苞物にもなかなか沢山金を費したけれども、三百ルピーの金が余って居ったです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
つれの佐分さんは私が出した御明料に幾らか足して出したらしく、うまい納豆は白紙に包まれて家苞にしてくれた。
— 室生犀星 『京洛日記』 青空文庫