黙過
もっか
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
tacit approval
文例 · 用例
彼の視線が妻君に放たれた時に妻君がピクリと怖ぢけたので、まあ黙過しようかとも思つたが、少し赤坊の母親に気の毒な気がして来てゐた時なので云つた。
— 中原中也 『医者と赤ン坊』 青空文庫
自分も妻の右衛門同様、相手にされずに黙過されるに至っては匡衡も堪えきれなくなったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
素直なものは黙過され易いが、この作家のもののうちには、見得易からざる胆汁質的の頼もしさともいふべきものが含まれて居り、牛歩千里の趣きが期待されるのだ。
— 牧野信一 『月評』 青空文庫
娘のつゝましやかで、そんな光景を眼にするのを恥らふのでも嫌ひがるのでもなく、彼女のは、人間の無気や恍惚などゝいふ状態を、黙過するに忍びない因果な性癖に依るらしかつた。
— 牧野信一 『小川の流れ』 青空文庫
如何に熱心のあまりであつても、それは黙過してはならぬ理論の混乱である。
— 平林初之輔 『文学の本質について(二)』 青空文庫
都会に起ることは知識階級の注意を呼び醒し易いが、この新八景投票のように地方を中心としている現象は、案外多くの弊を生じつつ黙過され勝だ。
— 宮本百合子 『夏遠き山』 青空文庫
まず世間一般の人達はともあれ、一度は、本当に一生懸命にそのために働いた人があるとすれば、今また新しくそうした最後の悲惨事を、どう上の空で黙過することが出来るのだろう?
— 伊藤野枝 『転機』 青空文庫
してみると、いま独逸航空会社が純学術的探検の名目で、この秘境を暴露しようというのが、黙過されるだろうか。
— 地軸二万哩 『人外魔境』 青空文庫
作例 · 標準
上司は部下の不正行為を黙過し、結果的に事態を悪化させた。
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親は子どもの悪ふざけを黙過すべきではない。
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政府はこの違法行為を黙過することはできないと述べた。
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