雪片
せっぺん
名詞
標準
snowflake (cluster of ice crystals)
文例 · 用例
谷が狭くなって、崖側を行くと、緩いながらも雪の傾斜で辷るから、ミヤマナナカマドの枝を捉えながら上る、前にも増した雪の断裂で、草鞋に踏み蹂った雪片は、山桜の葩弁のように、白く光ってあたりに飛び散る。
— 小島烏水 『槍ヶ岳第三回登山』 青空文庫
これも風力が、雪片を飛散させて作ったのであろうと思われる。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
肉眼ではこれ以上の事は分りかねるが、一度顕微鏡下に照らしてこの小さい雪片を見れば誰しもその美しさに驚かぬ人はあるまい。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
これはつまり比較的暖かい地上近くの空気が温気を含んだままで気流につれて上昇し、高層の気圧の低い処へ行くに従って膨脹して冷えて来る、ある処まで行くと雲と凝り雨になってしまう事もあるが、ごく寒い時にはこれが直ちに凍って小さい雪片となりこれが次第次第に大きく生長する。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
雪片のごく大きいのは時として直径一寸ほどになる事がある。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
こんなに雪片がくっつき合っているのはつまり寒気がさほどひどくなくて雪片が温まっているからなので、ごくごく寒い摂氏零度以下二十余度にもなるともはや雪片に湿り気がなく従ってみんなバラバラに粉のようになってしまう。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
雪雲 天気のよい日、空際遥かに真白な雲が刷毛ではいたようにあるいは細かい鱗のように棚引いている事がある、あの雲は普通の低い雲とはちがって皆雪片から出来ているという。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
また寒中などに太陽のまわりに暈が出来てその輪の横に光った処が出来、あたかも日が二つも三つも現われたように見える事がある、あれもやはり空中の雪片が太陽の光を曲げあるいは反射するために起る現象である。
— 寺田寅彦 『雪の話』 青空文庫
作例 · 標準
空からひらひらと舞い落ちてくる巨大な雪片を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまう。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
顕微鏡でのぞいてみると、一つ一つの雪片がそれぞれ異なる複雑な結晶構造を持っているのがわかる。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
まるでボタン雪のような大きな雪片が、静かに肩に降り積もっていった。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
ウィキペディア
雪片(せっぺん)は、ある程度の大きさに育った単一の氷晶、あるいは合着した複数の氷晶が雪として大気中を落下してきたもの。「雪の結晶」という言い方もある。過飽和になった空気塊の中で塵の粒子が水蒸気を集めて過冷却雲粒を形成し、凍結して氷晶となることで核生成する。温度や湿度の異なる大気領域を通過しながら成長するために形状は複雑になる。そのため細部まで同一の雪片は存在しないが、形状には8つの大分類があり、少なくとも80種の変種に分けられる。氷晶形状の主な構成要素は針、角柱、角板、付着雲粒であり、これらが組み合わされる。透明な物質である氷からなるにもかかわらず、雪は白く見える。これは雪片の微小な結晶面で光のスペクトル全体にわたって拡散反射が起きるためである。
出典: 雪片 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0