碾き臼
ひきうす
名詞
標準
文例 · 用例
然し、昇のは碾き臼の上石の樣だと思ふ。
— 憑き物 『泡鳴五部作』 青空文庫
のみならず、牛部屋では、鞍をかけられた牛が、粉ひき臼をまわして、くるくる、真中の柱の周囲を廻っていた。
— 黒島伝治 『二銭銅貨』 青空文庫
もともと、びんぼうでしたから、死んだあとで、こどもたちに分けてやる財産といっては、粉ひき臼をまわす風車と、ろばと、それから、猫一ぴきだけしかありませんでした。
— またの名 長ぐつをはいた猫 『猫吉親方』 青空文庫
炬燵の中で小さい孫を膝にのせ、暑い夏の日、日陰の涼み台の上で、ある時はそら豆の皮などむきながら、またある時は孫と向い合ってひき臼を回しながら、歌でも歌うような調子でかやの甚作どんの話はくり返された。
— 壺井栄 『暦』 青空文庫
…… 時しもありけれ、魯智深が、大なる挽臼のごとき、五分刈頭を、天井にぐるりと廻して、「佐川さんや、」 と顔は見えず……その天井の影が動く。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
電球の口金についたガラス棒を釜にいれて焼き、それを挽臼で引いて粉にし、そこから白金を分離するという仕事を豹一もやらされていたが、真赤になったガラス棒をガリ/\と挽臼でひく時、自分の心が噛みくだかれる様に感じられた。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
先ずガラス棒を火で焼き、それを挽臼で挽き砕いて、粉にする。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
とつぜん顔なんか出してさ、挽臼にいれて粉にしてしまひますよ』 となかには、プンプン怒る娘さんもゐました。
— 童話集 『小熊秀雄全集-14』 青空文庫