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尽風

じんふう
名詞
1
標準
文例 · 用例
これも東京の人で、彼方へ往く度に札びら切って、大尽風をふかしているお爺さんが、鉱山が売れたら、その女を落籍して東京へつれていくといっているから、それを踏台にして、東京へ出ましょうかって。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
そうして、翌日になると、その一等室の買切りが、はや市中の話題を独占してしまったが、詰まる所は、尾彦楼お筆の時代錯誤的な大尽風となってしまい、その如何にも古めかし気な駄駄羅振りには、栗生武右衛門チャリネ買切りの図などが、新聞に持ち出された程だった。
小栗虫太郎 絶景万国博覧会 青空文庫
村の青楼で大尽風を吹かせるのも面白い。
牧野信一 熱い風 青空文庫
七郎丸は豊漁に恵まれて有頂天の由で結構ですが、夜々マメイドに現れて物凄い大尽風を吹かせてゐるといふ話ではありませんか!
牧野信一 附「歌へる日まで」 青空文庫
なんて高言しながら――」「彼の大尽風がマメイドまで保てば、まことにお目出度い話だが――もう間もなく、空馬車に載つかつて、ぼんやり木兎のやうな眼をして帰つて来るだらうよ。
牧野信一 馬車の歌 青空文庫
それは兎も角、彼はその辺一帯を占領して以来は恰で生れ変つた如き横風な人間と化して、多くの手下を引具して議員に候補したり、妾を蓄へたり、花合戦に一夜千両を賭けたりして、凄まじい大尽風を吹かすばかりか、果はあられもなく貴人を気どつて吾々などは頭から眼中にないといふ羽振りを示しました。
牧野信一 船の中の鼠 青空文庫
‥‥そこへ、田舎大尽風に狐の毛皮をふかふかつけたコートを着て、蒼ざめた顔色のお粒が這入つて来た。
林芙美子 「リラ」の女達 青空文庫
どうもこの文無しで宿を取る人間に限って、大きな顔をして威張り散らして、散々大尽風をお吹かせの上、いざ御勘定となると、実は、とお出でなさいます。
江見水蔭 備前天一坊 青空文庫