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手網

てあみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
暗に透かすと、背の高い大な坊主が居て、地から三尺ばかり高い処、宙で胡座掻いたも道理、汀へ足代を組んで板を渡した上に構込んで、有らう事か、出家の癖に、……水の中へは広い四手網が沈めてある。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
けれども、次第に畜生、横領の威を奮つて、宵の内からちよろりと攫ふ、漁る後から嘗めて行く……見る/\四つ手網の網代の上で、腰の周囲から引奪る。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
其の気勢が、やがて昼間見た天守の棟の上に着いた程に、ドヽンと凄い音がして、足代に乗つた目の下、老人が沈めて去つた四つ手網の真中あたりへ、したゝかな物の落ちた音。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
――処でな、あの晩四つ手網の番をしたが悪縁ぢや、御身が言ふ通り色恋の捌を頼まれた事と思へ。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
それでもどうにかこうにか綾なして、だんだんに手元へひき寄せたらしく、為さんは手網を持って掬いあげようとする。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
蘆の根方に住んでいる小|鰻がそれに取りつく、環をそっと引き上げて、未練に喰い下って来る小鰻を水面近くまでおびき寄せ、わきから手網で、さっと掬い上げる。
岡本かの子 渾沌未分 青空文庫
上つ瀬には桜皮の舟に小※を操り、藻臥の束鮒を漁ろうと、狭手網さしわたしている。
岡本かの子 富士 青空文庫
漁師たちは手網や手掴みで四斗|樽に一ぱい半ほどの魚を漁り、網を外ずして去りました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫