御下げ
おさげ
名詞
標準
文例 · 用例
雪はちらちら降るその中を熊本連隊十三隊第一大隊日を定め陸軍繰出す熊本城を数万の弾丸飛越えて吾兵各所に進撃す と、いう唄を唄いながら、御下げ髪に白鉢巻、刀を抜いて踊るのに惚れたのだから、その頃から、ファッショだったのであろう。
— 直木三十五 『死までを語る』 青空文庫
然れども、唯※此上の御慈悲には、妻子五人の者、百姓ども一同へ御下げ下し置かれ候て、村々の名主ども、殘らず御仕置成し下され候やう、何卒仰せ付け下し置かれ候はば、重々難有き仕合に存じ奉り候』とあり。
— 大町桂月 『宗吾靈堂』 青空文庫
そこで津田青楓さんに御相談申し上げるが、技巧は兎も角も、気品の点へ行くと、先生の画の中には、あなたが頭を御下げになつても、恥しくないものがありやしませんか。
— 芥川龍之介 『俳画展覧会を観て』 青空文庫
髪は日本の御下げのように、根もとを青い紐に括ったきり、長々と後に垂らしている。
— 芥川龍之介 『上海游記』 青空文庫
髪を御下げに括った紐が、これは桃色をしている外に、全然愛春と変りはない。
— 芥川龍之介 『上海游記』 青空文庫
すると良秀は畏まつて、何を申すかと思ひますと、「何卒私の娘をば御下げ下さいまするやうに。
— 芥川龍之介 『地獄変』 青空文庫
私どもの眼から見ますと、大殿様が良秀の娘を御下げにならなかつたのは、全く娘の身の上を哀れに思召したからで、あのやうに頑な親の側へやるよりは御邸に置いて、何の不自由なく暮させてやらうと云ふ難有い御考へだつたやうでございます。
— 芥川龍之介 『地獄変』 青空文庫
私どもの眼から見ますと、大殿樣が良秀の娘を御下げにならなかつたのは、全く娘の身の上を哀れに思召したからで、あのやうに頑な親の側へやるよりは御邸に置いて、何の不自由なく暮させてやらうと云ふ難有い御考へだつたやうでございます。
— 芥川龍之介 『地獄變』 青空文庫