莎草
かやつりぐさ
名詞
標準
文例 · 用例
麥酒の明罎二|本へ一|杯の醤油を莎草繩で括つて提げた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
さうした霊物を入れる神聖な容器が、所謂、莎草で編んだくゞつこであつたのだらう。
— 折口信夫 『偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道』 青空文庫
二 くゞつの民莎草で編んだ嚢を持つたからの名だと言ふくゞつの民は、実は平安朝の学者の物好きな合理観から、今におき、大陸・半島或は欧洲に亘る流民と一つ種族の様に見られて居る。
— 唱導的方面を中心として 『国文学の発生(第四稿)』 青空文庫
私はまた莎草科の一種である「しまてんつき」が熱湯の流れているところに最も鮮やかな色を見せて茂っており冷めた湯の流れているところでは貧弱な生存を続けているのを見た。
— 菊池幽芳 『雲仙岳』 青空文庫
袖中抄に「裹」字をよみて、莎草を編みて袋にしたるをいふ也、万葉集抄には、細き縄を持物入るゝものにして、田舎の者の持つなりといへり。
— 古代社会組織の研究 『くぐつ名義考』 青空文庫
ただ袖中抄を引いて莎草を編みて袋にしたるをくぐつというとのみあって、その語と傀儡子との関係には及んでいないのである。
— 古代社会組織の研究 『くぐつ名義考』 青空文庫
多分は山沢湿地に自生する莎草といふ植物で其袋を製したのであらう。
— 古代社会組織の研究 『くぐつ名義考』 青空文庫
蒲または藁製の袋と莎草の袋とはその製作材料は違っているが、叺様に作る点においては同一であって、かつて莎草の供給の潤沢であった時には、もっぱらそれで作ったものであろう。
— 古代社会組織の研究 『くぐつ名義考』 青空文庫