敵潜
てきせん
名詞
標準
文例 · 用例
屈でくゞる軒下を出でくる時は銃剣の鮮血淋漓たる兵が、血紅に染みし指をもて、壁に十字を書置くは、敵潜めるを示すなり。
— 上田敏訳詩集 『海潮音』 青空文庫
今度は、敵潜水艦の水中聴音器の振動板に、気持よく命中した。
— 海野十三 『地球要塞』 青空文庫
又、敵潜水艦『S二十九号』は上海の沖で、日本郵船会社の豪華船『霧島丸』を沈めてしまった。
— 平田晋策 『昭和遊撃隊』 青空文庫
この敵潜水艦こそ、オーガン大佐の率いるA国大潜水隊だ。
— 平田晋策 『昭和遊撃隊』 青空文庫
真鶴では、大謀網に敵潜が突ッかけてしまいましたよ。
— 坂口安吾 『水鳥亭』 青空文庫
こんな笊みたいな古船に五百人も詰めこんで、敵潜のまんなかへ放りだそうてんだ。
— 久生十蘭 『ノア』 青空文庫
そのうちに誰ともなく、本船は敵潜と敵機の眼をくらますために時化になるのを待っているのだと穿ったようなことをいいだした。
— 久生十蘭 『ノア』 青空文庫
敵潜に尾かれたらオシャカだが、時化なら、なんとか助かるあてがあるからな」 絶対なる敵の制圧下にある海域で輸送作戦を実施しようというには、大きな時化でも期待する以外に成功する見込みがない。
— 久生十蘭 『ノア』 青空文庫