ちっぽけ
ちっぽけ
形容動詞
標準
文例 · 用例
人間は、地上から、天までの土煙の中で、自分の無力と、ちっぽけさに、ひし/\とちゞこまった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
だが、おとなの居留民達は、出兵請求の決議にかけずりまわり、一ツ一ツ印を集め、懇願書を出して、折角やってきて貰ったなつかしい兵士が、自分達のちっぽけな家とはかけ離れた、工場や銀行の守備に赴くのを、はたして、ペテンにひっかゝったように、憤ろしく、意外に感じなかっただろうか?
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
どうして俺が毎晩家へ帰って来る道で、俺の部屋の数ある道具のうちの、選りに選ってちっぽけな薄っぺらいもの、安全剃刀の刃なんぞが、千里眼のように思い浮かんで来るのか――おまえはそれがわからないと言ったが――そして俺にもやはりそれがわからないのだが――それもこれもやっぱり同じようなことにちがいない。
— 梶井基次郎 『桜の樹の下には』 青空文庫
これは家内とも相談しての上ですから――まあ、私だちちっぽけなりにも身上も出来てみれば、出来のいい品のある子供が欲しいです。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
「姉ちゃんにみんな遣んの嫌だあ」 それから蓑吉は人を賺すときの声を作って「姉ちゃん、これ、いっち好いの、ひとつあげる」 セルロイドのちっぽけなお酌人形だった。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
さう云へばあの時あのちっぽけな赤い虫が何かそんなこと云ってゐたやうだったね。
— 宮沢賢治 『蛙のゴム靴』 青空文庫
あんな、ちっぽけな赤頭巾に、ベゴ石め、へこまされてるんだ。
— 宮沢賢治 『気のいい火山弾』 青空文庫
そう云えばあの時あのちっぽけな赤い虫が何かそんなこと云ってたようだったね。
— 宮沢賢治 『蛙のゴム靴』 青空文庫