蹴起
蹴起
名詞
標準
文例 · 用例
ぼくは幾度か一線で対峙した中国兵に、上官の気を損ねまいと、正確な射撃を送り、四人まで殺し、十人ばかりの人々を傷つけたが、その戦闘後、自分の殺した生温かい中国の青年の死体の顔を、自分の軍靴で不思議そうに蹴起しながら、いつも、「さようなら」とだけは心中に呟くことができた。
— 田中英光 『さようなら』 青空文庫
ひいひいと身をよじって悲鳴をあげた小侍を、どんと蹴起しながら小気味よげに言い放ちました。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
三匹の馬は黒土を蹴起こしながら駆けだした。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
そして、菊枝を蹴起こしてやるというような意気込みで、彼女の寝ている部屋に這入って行った。
— 佐左木俊郎 『緑の芽』 青空文庫
ここに於てか諸君、余は奮然|蹴起したのである。
— 坂口安吾 『風博士』 青空文庫