屋根葺き
やねふき
名詞
標準
文例 · 用例
豚を飼って、ことによったら豚小屋へ寝る夜もあるか知れないなど申し、豚の種類の調べや豚小屋の設計まで始め、自分で板を割ったり屋根葺きを手伝ったり………」「うむ」 支離遜は唸るように云って田氏が汲んで出したなりでぬるくなった茶をすすった。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
妻子を連れたり、弟子たちを従えたり、道具を担ったりした鍛冶、漆工、指物師、大工、屋根葺き、機織娘、彫刻師、染工などから、馬の群れを曳いた牧の者、僧の群れをつれた寺院の徒、女の群れをつれてゆく何商売か知れない人間たちまでが――相模の新府をさしてみな将来の生計を植えつけるべく流れて行く。
— 吉川英治 『源頼朝』 青空文庫
一言でいうならば、うすく割って屋根葺き板にするような、大きな素性の良い木材が、おいおいにとぼしくなってきたからである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
それで山間の樹木の多い村々までが、大きなものはみな世間へ送り出すようにして、自分たちの屋根葺きには、なるだけ小さいので間に合わせるようになった。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
それで地方によっては屋根葺きのことを、左官と呼ぶところもあるわけである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
土佐の山村でも、隅葺きさんというただ一人の屋根葺き職を頼み、隅のむつかしい仕事だけを引受けてもらうことにしていた。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
稲の藁は、日本でこれほどいろいろの役に立つものはないのだが、屋根葺き材料だけにはまったく向かない。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
関東地方では茨城県の筑波とか、遠くは福島県の会津地方のような、田畠がすくないか、または秋の農作のはやく片づく村から、群れをなしてその屋根葺き職の者が出てきて、大よそけんとうをつけ、または前の年からやくそくをして、今年葺きかえる家々を廻っていた。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫