歓天
かんてん
名詞
標準
文例 · 用例
漆桶を抜くがごとく痛快なる悟りを得て歓天喜地の至境に達したのさ」 あまり迷亭の言葉が仰山なので、さすが御上手者の鈴木君も、こりゃ手に合わないと云う顔付をする。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
そうしてヤットの思いで気に入った名前を発見した時のその作家の喜びようといったら、それこそ歓天喜天、手の舞い足の踏むところを知らなかったという。
— 夢野久作 『創作人物の名前について』 青空文庫
嗚呼近世の小説は歓天喜地愉快を写さずして、総て悲哀を以て終らざる可からざる乎と。
— 石橋忍月 『舞姫』 青空文庫
かかる栄誉に対しては、今より一層精を励まし、神を凝らし、もってますます妖怪の蘊奥を究め、宇宙の玄門を開き、天地の大道を明らかにし、生死の迷雲を払い、広く世人をして歓天楽地の間に逍遥せしめ、永く国家をして金城鉄壁の上に安座せしむることを、かつ祈りかつ誓うところであります。
— 井上円了 『おばけの正体』 青空文庫
もし、宗教の正信によってわが心と神仏の大良心とを合体するに至らば、いかなる病気、災難、生死の運命に際会すとも、泰然自若、悠々自適の境に安住することを得、多苦多患の世にありながら、歓天楽地の境涯を送ることを得るようになる。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
しかして、真怪を開顕するは、人をして歓天楽地の境遇に遊ばしむるにほかならず。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
これ、すなわち真怪の光景に接して、歓天楽地の境遇に遊ぶものなり。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫