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戛々

戛々
名詞
1
標準
文例 · 用例
戛々と――それは娘が路を踏む靴の音ではないか?
梶井基次郎 川端康成第四短篇集「心中」を主題とせるヴァリエイシヨン 青空文庫
戛々戛々、父の心臟の上とも知らず、いたいけな娘の歩く音。
梶井基次郎 川端康成第四短篇集「心中」を主題とせるヴァリエイシヨン 青空文庫
――だが、私が二年程前、彼女とあそこまで初めての探勝を試みた日は、アジロ通ひのガタ馬車が円かなラッパの音を撒きちらしながら戛々と走つてゐた麗らかな夏の朝であつた。
牧野信一 環魚洞風景 青空文庫
胸の中の嵐や悶えを、深く秘めて、彼の作家の夢は縦横に伸び、彫み出さるゝ片言句々が、何んな飛躍をはらみ、寧ろ云ひ得べくんば、さり気なき言葉のうちに奇怪なる後光を背ふて、戛々と鳴るさまが――おゝ、あれほどまでに愚かなる読者ではあるものゝ、昔と今とのその作物の熟達至極に、怕れを抱くことが出来るのだ。
牧野信一 「尾花」を読みて 青空文庫
やがて兵士の鎧の音が戛々と響く程近くになりましたが、月光りでは顔は解りません。
牧野信一 青白き公園 青空文庫
やがて兵士の鐙の音が戛々と響く程近くなりましたが、月光では顔は解りません。
牧野信一 青白き公園 青空文庫
日暮頃から空は戛々に晴れて、氷結したやうな夥しい星屑が象眼張りのやうに光つた。
牧野信一 白明 青空文庫
――戛々と鳴る蹄の音を、私は和やかな自分の鼓動のやうに感じながら、もう殆んど暮れかゝつてゐる野路を駈けてゐた。
牧野信一 鱗雲 青空文庫