沈み
しずみ
名詞
標準
文例 · 用例
陸橋を渡る 憂鬱に沈みながら、ひとり寂しく陸橋を渡つて行く。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
詩人の死ぬや悲し ある日の芥川龍之介が、救ひのない絶望に沈みながら、死の暗黒と生の無意義について私に語つた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
「よし、私の力を試してみよう」と、壓しつけられた曇天の日に、悲觀の沈みきつたどん底からさへも、人人は尚|健氣に立ち上る。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
(『セルパン』1931年5月号)----------------------------------------------------------------- 詩人の死ぬや悲し ある日の芥川龍之介が、救ひのない絶望に沈みながら、死の暗黒と生の無意義について私に語つた。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
柴漬の沈みもやらで春の雨 春雨|模糊とした海岸に、沈みもやらで柴漬が漂っている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
見よこの飛翔する空の向うに一つの地平は高く揚り また傾き 低く沈み行かんとす。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
――四方の山が沈み、農家の庭が欠伸をし、道は空へと挨拶する。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
かくてこのあはれなる木は、粗硬な樹皮を、空と風とに、心はたえず、追惜のおもひに沈み、懶懦にして、とぎれとぎれの仕草をもち、人にむかつては心弱く、諂ひがちに、かくてわれにもない、愚事のかぎりを仕出来してしまふ。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫