忌ま忌ましい
いまいましい
形容詞
標準
文例 · 用例
おやおや、彼奴が来ている、どうして彼奴は自分の先へ先へと廻わるだろう、忌ま忌ましい奴だと大に癪に触ったが、さりとて引返えすのはなお慊だし、如何してくれようと、そのまま突立って志村の方を見ていた。
— 国木田独歩 『画の悲み』 青空文庫
」 自分は画き初めたが、画いているうち、彼を忌ま忌ましいと思った心は全く消えてしまい、かえって彼が可愛くなって来た。
— 国木田独歩 『画の悲み』 青空文庫
私などにしても、これまでに何十度|忌ま忌ましい腹の立つことがあったか知れない。
— ――喜久子姫御用の「春秋屏風」その他―― 『画道と女性』 青空文庫
それまでに彼らは一度ならず、頭の上のピアノの音や忌ま忌ましい騒ぎ――(というのは、クリストフは室の中が息苦しくて、檻の中の熊みたいに動き回っていた)――などを呪ったものだった。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
友達のN―――さんの話に依ると、私の此の病気―――ほんとうに今想い出しても嫌な、不愉快な、そうして忌ま忌ましい、馬鹿々々しい此の病気は、Eisenbahnkrankheit(鉄道病)と名づける神経病の一種だろうと云う。
— 谷崎潤一郎 『恐怖』 青空文庫
そして蒔岡家の一同は、明くる朝の四時頃、風が漸う収まるのを待ってその忌ま忌ましい脆弱な家へ、まだ何となくビクつきながら戻って来たと云う訳であった。
— 中巻 『細雪』 青空文庫
品子さえおとなしくしていたら、リリーの介在をもう一日も黙視出来なくなった彼女は、早速亭主に談判して品子の方へ引き渡させる積りでいたのに、あんないたずらをされてみると、素直に註文を聴いてやるのが忌ま忌ましい。
— 谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のおんな』 青空文庫
箱を流しに往った者は、忌いましいので竹竿で突いて流そうとしたが、突いた時はすこし流れるが、直ぐ又元の処へ戻って来た。
— 田中貢太郎 『偶人物語』 青空文庫