幻色
げんしょく
名詞
標準
文例 · 用例
樺色地に薄墨の豹紋を散らして、光りの屈折に随つては、真紫に輝く見るも鮮やかな幻色を呈するのだ。
— 牧野信一 『冬日抄』 青空文庫
俺達の空想だつて、在るべきところに在り、発生すべきところに飛んでゐた時には、そいつはそのまゝ虹色の保護色であり、幻色の恵みに他ならぬのだ。
— 牧野信一 『冬日抄』 青空文庫
断崖から脚を踏み外して、戸板に載せられた騒ぎまで演じて捕獲したといふ幻色のあざやかな大ムラサキ蝶やルリタテハ蝶などの数々が美しい標本となつてゐた。
— 牧野信一 『風流旅行』 青空文庫
見ると緑と黒の幻色をひらひらと陽りに翻したカラスアゲハが崖ふちの枳殻にとまつてゐた。
— 牧野信一 『真夏の朝のひとゝき』 青空文庫