窶れ姿
やつれすがた
名詞
標準
文例 · 用例
後に小田原の町を放れ、函嶺の湯本近に一軒、茶店の娘、窶れ姿のいと美しきが、路傍の筧、前なる山凡そ三四百間遠き處に千歳久しき靈水を引いたりといふ、清らかなる樋の口に冷たき其の土を洗ふを見て、山の芋は鰻になる、此の牛蒡恁くて石清水に身を灌がば、あはれ白魚に化しやせんと、そゞろ胸に手を置きしが。
— 泉鏡太郎 『城の石垣』 青空文庫
さて親は石殿に住はせたれど、憂愁のやつれ姿ぞいぢらしき。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
うれはしき其かんばせは、さながらに、位はがれしやらはれのやつれ姿か、憂愁の思にくれて吐息がち、人目を避けて、うなだるゝあはれの君よ。
— ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri 『きその日は』 青空文庫