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枳尼

枳尼
名詞
1
標準
文例 · 用例
富士見の台なる、茶枳尼天の広前で、いまお町が立った背後に、 此の一廓、富士見稲荷鎮守の地につき、家々の畜犬堅く無用たるべきもの也。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
大日経巻第二に荼枳尼は見えており、儀軌真言なども伝来の古いものである。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
もし密教の大道理からいえば、荼枳尼も大日、他の諸天も大日、玄奥秘密の意義理趣を談ずる上からは、甲乙の分け隔てはなくなる故にとかくを言うのも愚なことであるが、先ず荼枳尼として置こう。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
枳尼天の形相、真言等をここに記するも益無きことであるし、かつまた自分が飯綱二十法を心得ているわけでもないから、飯綱修法に関することは書かぬが、やはり他の天部夜叉部等の修法の如くに、相伝を得て、次第により如法に修するものであろう。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
東京近くでは武州|高雄山からも、今は知らぬが以前は荼枳尼の影像を与えたものである。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
諸国に荼枳尼天を祭ったところは少からずあるが、今その法を修する者はあるまい。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
天狗も荼枳尼には連なることで、愛宕にも太郎坊があれば、飯綱にも天狗嶽という魔所があり、餓鬼曼陀羅のような荼枳尼曼陀羅には天狗もあり、また荼吉尼天その物を狐に乗っている天狗だと心得ている人もある。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
六日本の狐も、上古と近世には、やさしい感じを持つて語られて居るが、平安朝から後久しく、恐しくて執念深いものとなつたのは、托枳尼の修法の対象として使はれたせゐであらうと想像してゐる。
折口信夫 信太妻の話 青空文庫