ばらばら
ばらばら
形容動詞
標準
文例 · 用例
只ごうっと吹く風の音、ばらばらっと板屋を打つ雨の音に許り神経は昂進るのである。
— 伊藤左千夫 『大雨の前日』 青空文庫
全体が、どうも、ばらばらなのだ。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
高い煉瓦塀にせばめられた暗い路次を通り拔けて、K街の大通へ出ると、街燈の鈍い光の中に客待ちしてゐた五六人の支那人の俥引達がばらばらと二人の側へたかつて來た。
— 南部修太郎 『ハルピンの一夜』 青空文庫
書肆文求堂をもうちっと富坂寄の大道へ出した露店の、いかがわしい道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、表紙の除れた、けばの立った、端摺の甚い、三世相を開けて、燻ぼったカンテラの燈で見ている男は、これは、早瀬主税である。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」 片手を開いて、肱で肩癖の手つきになり、ばらばらと主税の目前へ揉み立てる。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
駄目でさ、だってお前さん、いきなり引摺り下ろしてしまったんだから、それ、ばらばら一緒に大勢が飛出しましたね、よしんばですね、同類が居た処で、疾の前、どこかへ、すっ飛んでいるんですから手係りはありやしません。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
嬉しく走りつきて石をあはせ、ひたと打ひしぎて蹴飛ばしたる、石は躑躅のなかをくぐりて小砂利をさそひ、ばらばらと谷深くおちゆく音しき。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
」といひて上下にばらばらと分れて行く。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫