釣場
つりば
名詞
標準
文例 · 用例
またこのあたりの堤下、上は柳畑辺より下は三囲祠前の下流十間までの間は有名なる○鯉釣場にして、いはゆる浅草川の紫鯉を産するところなれば、漁獲の数甚だ多からざるにかゝはらず釣客の綸を垂るゝもの甚だ少からず。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
この驚愕は自分をして当面の釣場の事よりは自分を自分の心裏に起った事に引付けたから、自分は少年との応酬を忘れて、少年への観察を敢てするに至った。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
よい釣場を見つけたが、雑魚一ぴきも釣れなかつた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
釣場へ徃復二里あまり、四時間あまり釣つたので、ほどよく労れて睡ることが出来た。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
……今日も午後は六丁釣場へ出かけた、先客一人、なか/\上手に釣つてゐる、私もゆつくり構へこんだが、痔が痛むし、暑苦しいし、その上、近在の河童小僧連が押し寄せてうるさいので、早々切りあげて戻つた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
午後、あまり辛気くさいので出かける、ちよつと農学校に寄つて、樹明君と話したり新聞を読んだりする、それから上郷の釣場を偵察した、あまり恰好な場所でもない、水浴して帰庵、蓼数株を手折つたが、萎れて駄目だつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
* 村の人達は、その夜いつものやうに艪拍子も賑やかに、沖の釣場にむかつて漕ぎだしました。
— 童話集 『小熊秀雄全集-14』 青空文庫
子供のときから本所に育った人ですから、置いてけ堀のことは勿論知っていましたが、今までこゝらの川筋は大抵自分の釣場所にしていても、曽て一度もこんな不思議に出逢ったことは無かったのに、きょう初めてこんな怪しい声を聴いたというのはまったく不思議です。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫