幕閣
ばっかく
名詞
標準
文例 · 用例
だから、老中筆頭の知恵伊豆をはじめ幕閣諸老臣のこれに列座するのはもちろんのことで、一段下がったところには三百諸侯、それにつらなって旗本八万騎、それらの末座には今でいう警察官です。
— 笛の秘密 『右門捕物帖』 青空文庫
こうして、どうした風の吹きまわしか、一同心の身をもって大老にお目通りすることになった税所邦之助、相手はいまでこそ幕閣の司だが、もとは長いこと部屋住みの次男坊で、相当浮世を見て来た苦労人だとのことだから、一つ怯めず臆せずすべてをぶちまけようとかたくなりながら考えている。
— 林不忘 『つづれ烏羽玉』 青空文庫
幕閣が異学の禁を布きたるは寛政元年にして蓋し此党派の輿論を採用せしに過ぎざる也。
— 山路愛山 『頼襄を論ず』 青空文庫
幕閣の上席におりました板倉周防守は、この人が後に江戸城を引き渡した人でありますが、当時の権力者でありました。
— 三田村鳶魚 『話に聞いた近藤勇』 青空文庫
英幕危機が高潮に達し、同時に英幕講和が極秘裡に画策されつつあった四月中旬に、清河以下「浪士組」領袖が、長州でも肥後守でもなく幕閣の秘密命令で一網打尽にされるには、必らずしも清河らの討幕陰謀を必要としまい。
— 服部之総 『新撰組』 青空文庫
しかも他方幕閣は和親さえあるに今度は通商の決定を迫られているという安政五年正月に、その直前の水藩建白によって下ったといわれる朝廷からの幕吏への示命書には、はっきりと幕府祖法が真向からふりかざされている。
— 服部之総 『尊攘戦略史』 青空文庫
しょせん水戸斉昭の尊王攘夷は天保薪水令(一八四二年)和親条約(一八五三年)と、鎖国厳制を弛めては蹂躙し去った幕閣にたいする幕府祖法の怒りであった。
— 服部之総 『尊攘戦略史』 青空文庫
文政八年の令は將軍家齊であるが、改正令は家齊退職の直後であつて、その間幕閣にもいろいろと機微な動きがあつたであらう。
— 徳永直 『光をかかぐる人々』 青空文庫