愴然
そうぜん
形容動詞
標準
文例 · 用例
数百歳の後、猶読む者をして愴然として感ずるあらしむ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
旗を見るや、愴然として之を壮とし、涙下りて曰く、臣|少きより軍に従いて今老いたり、戦陣を歴たること多きも、未だ嘗て此の如きを見ざるなりと。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
是を以て後の正学先生の墓を過ぎる者、愴然として感じ、※然として泣かざる能わず。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
そして自分の将来、何の光も無く、色も無く、香も無い、ただ真黒な冷い闇のみの世界を望み視ては、愴然栗然として堪えきれぬ思いをしたことであったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
之を目にしたる予は、後に至りて之を思ひ之を味はひて、一種愴然たる感を得た。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
若しそれ順境に我が意を得て、世の憂きも人の無情も知らず、空に漂う雲のように日を送る者は、或いは何も思うことも無いかも知れないが、そのような人でも、一旦、何かの折に触れて発憤し、我が身を省みる時には、或いは突如として深い思いに入り、或いは愴然として永い憂いに沈む。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
未嘗不愴然悲苗而不秀矣。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
品川海上より天邊一髮の青螺を望む毎に、覺えず愴然として涙下る。
— 大町桂月 『房州紀行』 青空文庫