扁鵲
へんじゃく
名詞
標準
文例 · 用例
つまり人間の体内に耆婆扁鵲以上の名医が居て、それが場合に応じて極めて微妙な調剤を行って好果を収めるらしいというのである。
— 寺田寅彦 『マーカス・ショーとレビュー式教育』 青空文庫
大概のことは気にもかけなかったが、婆さん貧病は治して貰った、我が朝の、耆婆扁鵲と思う人を、藪はちと気になったから、山の井さんを何だ、と思うと極めるとね。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
然るに宋代には別に扁鵲中蔵経と云ふものがあつて、後人がこれを上に云ふ所の中蔵経に併せ、分て八巻となした。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
丁香散は朱肱が活人書に、扁鵲中蔵経を引いて載せ、周孫等はこれを載せない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
(躊躇して)別に惡くなつたと云ふ程でもないが、なにしろ病人が床の上に起き直つて、よるも晝も書きづめでは、耆婆扁鵲も匙を投げなければならない。
— 岡本綺堂 『近松半二の死』 青空文庫
逆上とは読んで字のごとく逆かさに上るのである、この点に関してはゲーレンもパラセルサスも旧弊なる扁鵲も異議を唱うる者は一人もない。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
耆婆扁鵲の神剤でもとても癒りそうもなかった二葉亭の数年前から持越しの神経衰弱は露都行という三十年来の希望の満足に拭うが如く忽ち掻消されて、あたかも籠の禽が俄に放されて九天に飛ばんとして羽叩きするような大元気となった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
が、半分化石し掛った思想は耆婆扁鵲が如何に蘇生らせようと骨を折っても再び息を吹き返すはずがない。
— ――新文学の曙光―― 『四十年前』 青空文庫
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扁鵲 は、古代中国・春秋戦国時代の伝説的な医者。中国医学の祖。インドの耆婆(ジーヴァカ)と並ぶ名医の代名詞。
出典: 扁鵲 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0