螻
螻
名詞
標準
文例 · 用例
一つ穴のお螻どもが、反対に鴨にくわれて、でんぐりかえしを打ったんですね。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
何にも無い、畳の摺剥けたのがじめじめと、蒸れ湿ったその斑が、陰と明るみに、黄色に鼠に、雑多の虫螻の湧いて出た形に見える。
— 泉鏡花 『菎蒻本』 青空文庫
お螻の兄さん、ちと、ご運動とか云って、「あさましきもの」に廊下へ連出されると、トトトン、トトトンと太鼓の音。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
お螻殿を、佛さん蟲、馬追蟲を、鳴聲でスイチヨと呼ぶ。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
また、死といえば蟻、螻蛄、羽虫になっても縷々と転生してしまう暢気極まる死です。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
「道」は螻蟻にもある。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
……我人ともに年中|螻では不可ません、一攫千金、お茶の子の朝飯前という……次は、」 と細字に認めた行燈をくるりと廻す。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
」 と、含羞んだ若い妓の、揃った目鼻の真中を狙って――お螻の虫が、もじゃもじゃもじゃ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫