一宇
いちう
名詞
標準
one house
文例 · 用例
元禄の頃の陸奥千鳥には――木川村入口に鐙摺の岩あり、一騎立の細道なり、少し行きて右の方に寺あり、小高き所、堂一宇、次信、忠信の両妻、軍立の姿にて相双び立つ。
— 泉鏡太郎 『甲冑堂』 青空文庫
ひとり、唯、単に、一宇の門のみ、生首に灯さで、淋しく暗かりしを、怪しといふ者候ひしが、さる人は皆人の心も、ことのやうをも知らざるにて候。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
加州金沢市|古寺町に両隣無き一宇の大廈は、松山|某が、英、漢、数学の塾舎となれり。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
巉岩少しく凹む所樹木繁る中に一宇あるをみる。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫
扨は人家ありけるよと打喜び、山|岨の道なき処を転ぶが如く走り降り、やゝ黄ばみたる麦畑を迂回りつゝ近付き見るに、これなむ一宇の寺院にして、山門は無けれど杉森の蔭に鐘楼あり。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
それから間もなく、さしもにお美事なお住居をお建て換えになりまして一宇のお寺を建立なされ、無明山満月寺と寺号をお附けになりました。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
寺内に一宇を建て総見院と呼んだ。
— 菊池寛 『賤ヶ岳合戦』 青空文庫
遥か突当り――崖を左へ避けた離れ座敷、確か一宇別になって根太の高いのがありました、……そこの障子が、薄い色硝子を嵌めたように、ぼうとこう鶏卵色になった、灯を点けたものらしい。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
作例 · 標準
山間に一宇の草庵をむすび、俗世を離れて風雅な余生を送る。
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度重なる火災に見舞われ、往時の伽藍で現存するのはこの観音堂一宇のみである。
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「ようやく故郷に一宇を構えることができました」と、彼は亡き両親の墓前に報告した。
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広大な敷地の一角に、賓客を招くための茶室として一宇を建立する。
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ウィキペディア曖昧さ回避
一宇(いちう) 西祖谷山村一宇 - 徳島県三好市の地名。 一宇村 - 徳島県にあった村。現在のつるぎ町。 一宇峡 - 徳島県つるぎ町にある吉野川の峡谷。
出典: 一宇 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0