夜の底
よるのそこ
表現名詞
標準
dark of the night
文例 · 用例
かすかな心の安らかさと親しさとが夜の底から昇るでせう。
— 宮澤賢治 『ラジュウムの雁』 青空文庫
先に――七|里半の峠を越さうとして下りた一見の知己が居た、椅子の間を向うへ隔てて、彼と同じ側の一隅に、薄青い天鵝絨の凭掛を枕にして、隧道を越す以前から、夜の底に沈んだやうに、煙に陰々として横倒れに寐て居たのが、此の時仁王立ちに成つたのである。
— 泉鏡太郎 『魔法罎』 青空文庫
夜の底がじーんと沈んで行くようであった。
— 織田作之助 『秋深き』 青空文庫
花やかな娘の笑声が、夜の底に響いて、また、くるりと廻って、手が流れて、褄が飜る。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
頽廃の土曜の夜よりも、彼等の心を乱れに乱れさせた日曜の夜の底を、泥ンまみれにかきまわす雨であった。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
夜の底はしだいに深くなって行った。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
夜の底に心が沈んでいくようであった。
— 織田作之助 『郷愁』 青空文庫
夜の底が重く落ちて白い風が走っていた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
作例 · 標準
夜の底で、彼は孤独に苛まれていた。
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街灯の光も届かない夜の底は、漆黒の闇に覆われていた。
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夜の底から這い上がってきたような彼の目は、何もかも見透かすようだった。
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