挟雑
きょうぞう
名詞
標準
文例 · 用例
何故ならば、バルザックは全作品の随処に自身の熱血的矛盾を吐露していて、主人公を簡単にはっきり捉え、何を如何にしたかという一筋の道行を挾雑物なしに描く場合は実に稀であった。
— 宮本百合子 『バルザックに対する評価』 青空文庫
だから氏独自の哲学的分析法と見えるものも、多分に雑多な挾雑物から醸造されているので、それは必ずしもまだ本当に独自なユニックな純粋性を持っていない。
— ――現代日本に於ける日本主義・ファシズム・自由主義・思想の批判 『日本イデオロギー論』 青空文庫
彼の哲学的理論には多分の挾雑物があるが、彼が持ち出した「プロレタリア論理学」という観念は注目に値いするものである。
— 戸坂潤 『認識論とは何か』 青空文庫
大衆といふもの 一體、文學といふものは、自己の表現であつて、自分の意慾を欲するまま書いて僞りや挾雜を交じへないといふのが、文學至上的なたてまへであります。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫