一人区
ひとりく
名詞
標準
single-seat constituency
文例 · 用例
食堂の入口ちかくのテエブルにへ號室の大學生が、からになつたスウプの皿をまへに置き、ひとりくつたくげに坐つてゐた。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
あまたの子供のなかにひとりくらいの馬鹿がいたほうが、かえって生彩があってよいと思っていた。
— 太宰治 『ロマネスク』 青空文庫
彼はわざといやなものを自分に見せつけるいこぢな習癖がここに起るときに、その手首を眼の前でひねくつて、ひとりくつくつと笑つた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
でも、ひとりくらいは、この世に、そんな美しい人がいる筈だ、と私は、あの頃も、いまもなお信じて居ります。
— 太宰治 『きりぎりす』 青空文庫
睦子さんひとりくらいは立派に私が引受けて見せます。
— ―――三幕 『冬の花火』 青空文庫
清庵も、たびたびの迷惑、つくづく呆れながらも、こいつ洒落た男で、「親戚にひとりくらい、そのような馬鹿がいるのも、浮世の味。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
お政が心底をしんに解した人は、お政の父ひとりくらいであったろうけれど、それでもだれいうとなく、お政さんはかしこい女だという評判が立った。
— 伊藤左千夫 『告げ人』 青空文庫
あっちこっちと江戸のうちを売り売り捜しているうちには、ひとりくらいうり二つという町人衆が見つかるだろう。
— 闇男 『右門捕物帖』 青空文庫