鞘走る
さやばしる
動詞-五段-ラ行
標準
to slip out of one's scabbard (of swords)
文例 · 用例
元結いの切れるは縁の切れる凶兆、刀の鞘走るは首の飛ぶ不吉な前兆と、古来からの言い伝えです。
— 千柿の鍔 『右門捕物帖』 青空文庫
袖が捲くれて二本の腕が生白くニュッと食み出したが、つづいて聞こえたは鞘走る音だ。
— 国枝史郎 『神秘昆虫館』 青空文庫
刀の鞘走る音がした。
— 国枝史郎 『柳営秘録かつえ蔵』 青空文庫
三天に誓へば、岩をも透す、 聞くや三尺、鞘走る音。
— 夏目漱石 『從軍行』 青空文庫
女軽業の親方のお角ほどの女が、お銀様を怖れるのは、一つはお銀様の傍には大抵の時には脇差がひきつけてあって、話の調子によっては、いつそれが鞘走るか知れないような心持がすると話したことがあります。
— 禹門三級の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
シュッと鞘走る刀の音、ズイと上段に振り冠る。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
「存じませんでございます」「知っているであろう、教えてくれ」「とんと私、存じません」「知っている筈だ、教えてくれ」「存じませんでございます」「いよいよ教えてくれないな」「わ、わ、私、存じません」「そうか」と云うと尾張宗春、フラフラと先へ進んだが、振り返ると手が上がり、シュッと鞘走る音がした。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
机竜之助の如きは、勤王家でもなし、佐幕党でもない、近藤、土方のような壮快な意気組みがあってでもない……大津を立って比叡颪が軽く面を撫でる時、竜之助は、旅の憂さをすっかり忘れて小気味よく、そして腰なる武蔵太郎がおのずから鞘走る心地がして、追分へかかろうとする時、ふいに後ろから呼び止める声がする。
— 壬生と島原の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
作例 · 標準
緊迫した瞬間、彼の剣が鞘走った。
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侍は素早い動きで刀を抜いた、剣は鞘走りながら。
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突然の物音に手が震え、剣が鞘を走りかけた。
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