擂
擂
名詞
標準
文例 · 用例
よく人は、甲府を、「擂鉢の底」と評しているが、当っていない。
— 太宰治 『新樹の言葉』 青空文庫
そして籾は、発動機をかけた自動|籾擂機に放りこまれて、殻が風に吹き飛ばされ、実は、受けられた桶の中へ、滝のように流れ落ちた。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
「武井から、今日の昼、籾擂代を取りに来たが、その銭はあるか知らん?
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
」「籾擂を機械に頼みゃ、唐臼をまわす世話はいらず、らくでええけんど、頼みゃ、頼んだだけ銭がかゝるんじゃ。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
――もっと深入した事は、見たまえ、ほっとした草臥れた態で、真中に三方から取巻いた食卓の上には、茶道具の左右に、真新しい、擂粉木、および杓子となんいう、世の宝貝の中に、最も興がった剽軽ものが揃って乗っていて、これに目鼻のつかないのが可訝いくらい。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
ついでに婦二人の顔が杓子と擂粉木にならないのが不思議なほど、変な外出の夜であった。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
」 と、娘が擂粉木の沈黙を破って、「誰か、見ていやしなかったかしら、可厭だ、私。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
踊よりか、町で買った、擂粉木とこの杓もじをさ、お前さんと私とで、持って歩行いた方がよっぽどおかしい。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫