音標
おんぴょう
名詞
標準
phonetic sign
文例 · 用例
もちろん彼等の意志は、上述のことの外にも、象形文字の常習的困難を避け、日本語を音標文字化することによつて、智識と文化の普及的能率を擧げようとする實利主義にも存するだらうが、同時にこの實利主義は、國語の純粹性を守らうとする別途の意志とも、必然の關係で不離に結びついて居るのである。
— 萩原朔太郎 『ローマ字論者への質疑』 青空文庫
たとえば、インドにあって中国にないものとか、一つの語に多くの意味が含まれているものとか、秘密のものとか、昔からの習慣に随うものとか、訳せば原語の持つ価値を失う、といったようなわけで、これらの五種のものは、訳さずに漢字で、原語の音標を、そのまま写したわけです。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
仮名は勿論使用上、音標文字の一種たるに過ぎない。
— 芥川龍之介 『澄江堂雑記』 青空文庫
或は片仮名は平仮名よりも進歩した音標文字なのかも知れない。
— 芥川龍之介 『澄江堂雑記』 青空文庫
アは前例どほり上の音と二重母韻をなし、万国音標文字を使ふと bie といふ発音になる。
— 福士幸次郎 『津軽地方特有の俚諺』 青空文庫
彼は、「ひえッ」とも違う、「うおッ」とも違う、音標記号ではとても現わせられない声を出して、慌しくすッくと起ちあがって、私の顔を暫く凝視していた。
— 長谷川伸 『幽霊を見る人を見る』 青空文庫