籃
籃
名詞
標準
文例 · 用例
……愛せよ揺籃より柩にまで汝を愛せし者を愛せよ、わが愛したる者のみ独り、今も猶我をば愛す。
— 中原中也 『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』 青空文庫
五つのパンを五千人に分ちて、その余を幾筐ひろい、また七つのパンを四千人に分ちて、その余を幾籃ひろいしかを覚えぬか。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
その傍に直徑七八尺もあるやうな美事な魚籃が二つころがつてゐた。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
子供を見ると、その子供の老人になつた時のことを考へてしまふし、搖籃を見ると墓石のことを考へる。
— 太宰治 『貪婪禍』 青空文庫
爾来最後まで同所長事務取扱の職に留まってこの揺籃時代の研究所の進展に骨折っていた。
— 寺田寅彦 『工学博士末広恭二君』 青空文庫
首を縮めて、鯉の入った籠を下げて、(魚籃)の丁稚と云う形で、ついて行くと、腹こなしだ、とぶらりぶらり、昼頃まで歩行いてさ、それから行ったのが真砂町の酒井先生の内だった。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」 女は乳の上へ右左、幅広く引掛けた桃色の紐に両手を挟んで、花籃を揺直し、「貴方、その樵夫の衆にお尋ねなすって可うございました。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
いゝ所で搖籃歌唄ひを出して來て其奴の歌で眠むつてゆかう。
— 梶井基次郎 『太郎と街』 青空文庫